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立トスてレテス・備忘録

86 :◆p132.rs1IQ:2019/03/18(月) 11:41:11.30 ID:/7cD9WTNZ
 予定よりずっと遅れ、国王は外国からの圧力に最後の抵抗を示すつもりだろうかという憶
測がわたしの頭に何度も浮かんだあと、行列が王宮の門からあらわれた。棒の先が三叉にな
った巨大な旗、高々と掲げられる紫色の包み、うやうやしく運ばれる石の台(3)。緋色と青の衣
を着て、衣と同色の道化師帽の形をした帽子をかぶった人々、黄色の服と黄色の竹帽子姿の
内廷官、そして小旗を持った従者たち。ついで紅絹の傘があらわれ、そのあとには四〇人で
かつぐ華麗な輿(こし)ではなく、両側にガラスのはまった簡素な木の輿がつづいた。その輿には青
白く気落ちした表情の国王が乗り、かつぎ手は四人しかいなかった。皇太子が同じような輿
に乗ってそのあとにつづいた。高官、大臣、将校が従者の手を借りて飾りをつけた馬にまた
がり、それぞれふたりの従者に鐙(あぶみ)を支えられ、さらにふたりの従者に馬を引かれて内務大臣
のうしろに整列した。内務大臣は黒いロバに乗り、外国製の鞍と外国人の護衛をつけている
のでよく目立つ。行列が聖なる場所に到着すると、軍の衛兵と騎兵の大半は塀の外側に残
り、国王と高官、そしておもな従者のみが祭壇の前へと進んだ。緋色の衣をまとった人々が

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