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ゴルゴ「キュゥべえだと……?」(改稿版)第一部

4 :56513:2017/04/24(月) 06:43:53.20 ID:BFt+kkjbE
 ゴルゴが異変を感じて頭を振り巡らせると、人工的な照明が淡く届く夏の夜の薄闇は急にオレンジを基調とする極彩色の景色に覆われ始めた。
「……!」
 ゴルゴは咄嗟にスーツの内に隠して装着されたホルスターの銃に手をかけ身構える。

 辺りは完全にオレンジや黄色の世界に覆われ、テーマパークの専用小屋のアトラクションを思わせるそのあまりにも日常からかけ離れた非現実的で強烈な光は夏の夜の薄闇に慣れた彼の目をきつく打ち、目をくらまさんばかりだった。

「……!」
 右手に銃を構え、目を見開き、額から汗を流しながら、突然の予測出来なかった出来事に身構えるゴルゴの視界に、周りから奇妙な生き物達が現れ出てくるのが見えた。
初めは一匹二匹だった彼らは、次々と数を増していく。見ると、後ろ足でぴょこんと立ち、途中で短く断ち切られた、細長く立った耳を合わせて60センチほどの体高をした、兎のような小動物だった。
皆周囲の風景に合わせた濃淡のオレンジの体毛に、白黒の線の流しの模様を付けたまだらな柄の模様となっている。
しかし奇妙なことに、一見可愛らしいその動物達の細長く伸びた顔には目と鼻が無く、その異様さに気づくと途端におぞましく感じられる存在だった。それを認めたゴルゴの顔に、ツーと浮かんだ汗が流れる。
 現れ出た奇妙な生き物達は、ピョンコピョンコと小さく跳躍しながら、まるで獲物に迫るかのようにゆっくり周囲から彼に迫ってきた。

「……」
 その行動を認めたゴルゴはキッと眉を吊り上げて目を細め、厳しい顔立ちで彼らに向かって銃を撃った。標的を見据える彼の額の汗はすでに止まっていた。

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