立トスてレテス・備忘録

週刊ザ・ムービー　No.４（1963年）
p25(1960s-125)
60年代傑作映画リスト（けぃ～しゃ）（抜粋）

絞死刑
1968　日本（ＡＴＧ）
監督・脚本／大島渚
共同脚本／田村孟、佐々木守、深尾道典
出演／佐藤慶、渡辺文雄、石堂淑、足立正生、戸浦六宏、
小松方正、松田政男、小山明子
ＡＴＧ1000万映画の第1作として製作された、大島渚の「反国家」
論によるブラック・コメディ。女子高生殺人事件の犯人の韓国人
青年Ｒは死刑を執行されるが、なぜか絞首刑が失敗し、そのシ
ョックで心神喪失状態に陥った。そのままでは刑の再執行が
できないため、執行人たちはなんとかＲの記憶を取り戻させよ
うと四苦八苦しながら、Ｒの家庭環境や彼の犯罪を芝居で再現
して見せる。国家と民族、犯罪というキーワードに内在する矛盾
や問題点を、皮肉とユーモアをまじえつつ次第にあらわにして
いくシナリオ構成の巧みさが光った一編。