テスト

1 ：カワイイ名無しさん：2018/08/13(月) 22:35:23.86 ID:bNZC6ezzp: こんにちは
783 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/04/06(月) 19:01:11.74 ID:mRmJ9y8ho: ビブリア古書堂の事件手帖④　第一章：『孤島の鬼』/第二章：『少年探偵団』20/40

この金庫の三重のロックを解除して開けることができれば、中に入っている乱歩ゆかりの珍しい品を見ることができ、その暁には離れのコレクションを売るというのが今回の相談で
金庫の鍵が見つからないと鹿山家の人間はいうが、本当にないのか調べてきてほしいと田辺邦代は依頼する
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784 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/04/06(月) 23:01:29.87 ID:mRmJ9y8ho: ビブリア古書堂の事件手帖④　第二章：『少年探偵団』40/40

姉妹の住む家を出て二時間も経たないうちに、鹿山明に関する報告書が田辺邦代から届けられた
翌日夕方に鹿山明の息子・義彦と会えるよう約束を取り付けたということで、強引で手回しがよすぎて不審に思う主人公に、二人の言動に注意した方がよさそうですねと栞子さんはいう
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785 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/04/08(水) 19:01:11.59 ID:UINL1UArv: ビブリア古書堂の事件手帖④　第二章：『少年探偵団』20/40

鍵は見当たらないし、暗証文字もわからないと、不機嫌そうな顔で二人を迎えた鹿山義彦はいった
父が急死するまで何も知らず、遺言状を見て驚いた、そういう事情を汲んでもらいたいという彼に、栞子さんは噛みながら返答する
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786 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/04/09(木) 19:01:15.48 ID:EHRIM4wpg: ビブリア古書堂の事件手帖④　第二章：『少年探偵団』20/40

来城慶子が回想する、本の話やいたずらが好きな鹿山明と、義彦が語る、生真面目で寡黙な父とがほとんど別人であることを主人公は不審に思う
話は済んだとして二人を追い出そうとする義彦に、ポプラ社の乱歩全集と父親の書斎を見せてほしい旨、栞子さんは要求した
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787 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/04/09(木) 23:01:20.08 ID:EHRIM4wpg: ビブリア古書堂の事件手帖④　第二章：『少年探偵団』40/40

鹿山明は鍵とともに『少年探偵団』シリーズを手近なところに隠していた可能性が高い――という推測の根拠を栞子さんは述べ、妹さんにも話を聞きたいと要望する
直美はここに住んで古本屋に勤めているといって義彦は店の名前を口にした
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788 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/04/10(金) 19:01:14.48 ID:1DbLpYmpd: ビブリア古書堂の事件手帖④　第二章：『少年探偵団』20/40

BDバッジは父の引き出しから持ち出していたが、どうしてそんなものがあったのかは知らないと鹿山直美は苦しい言い訳をした
乱歩を読むことを禁止されるような、厳しい家庭環境に関わる、両親への複雑な感情を彼女は吐露する
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789 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/04/12(日) 19:01:12.51 ID:spUEOZ69a: ビブリア古書堂の事件手帖④　第二章：『少年探偵団』20/40

お前は母親が好きではないといっていたが間違いないかと、ビブリア古書堂にやってきたヒトリ書房店主・井上は栞子さんに確認する
そして、『少年探偵団』シリーズを切欠とする子どもの頃の鹿山兄妹との交流や、開業してすぐ鹿山明から雪ノ下の別宅に招かれた往時を語り始めた
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790 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/04/14(火) 19:01:15.59 ID:z4mo6oZXq: ビブリア古書堂の事件手帖④　第二章：『少年探偵団』20/40

秘密をぶちまけることを仄めかして、篠川智恵子が鹿山明への紹介を頼んできたときのことを井上は語った
鹿山明が家族を大事にする気持ちも持っていたことは、光文社版の『少年探偵団』シリーズが手掛かりになると栞子さんはいう
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791 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/04/14(火) 22:58:23.40 ID:z4mo6oZXq: ビブリア古書堂の事件手帖④　第二章：『少年探偵団』40/40

井上の説得により、鹿山家の屋敷の中を調べてもいいと義彦の許可を得たビブリアの二人
書斎の収納スペースに栞子さんと二人で隠れて話をしているうち、鹿山直美が部屋にやってきて、乱歩の小説に出てくるような仕掛けを動かした
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792 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/04/15(水) 18:16:13.28 ID:vX+ShUW/0: ビブリア古書堂の事件手帖④　第二章：『少年探偵団』20/40

光文社版の『少年探偵団』シリーズを前にして、鹿山直美は子どもの頃に見た父の姿を語り、栞子さんは鹿山明の意図を解き明かす
そこにやってきた井上は、消印のない手紙の束をぶちまけた
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793 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/04/16(木) 19:01:18.92 ID:FUhpL/7X8: ビブリア古書堂の事件手帖④　第二章：『少年探偵団』/第三章：『押絵と旅する男』20/40

鹿山直美と井上が去ってから、証言を思い返す栞子さんは、他にも隠し場所があるという結論に達する
ついに鍵を手に入れ、向かった雪ノ下の宅は、どうも様子がおかしく、来客がいるという庭の方に目を向けて、栞子さんは無言で一礼してその場を去った
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794 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/04/16(木) 23:01:07.85 ID:FUhpL/7X8: ビブリア古書堂の事件手帖④　第三章：『押絵と旅する男』40/40

文香に会う予定だからと、ライトバンに乗せるよう篠川智恵子が頼んできて、北鎌倉に戻って篠川家の母屋で、親子の対面にそのまま混ざる主人公
母に対する文香の質問の後、智恵子が娘に置いていった、もう一冊の本に栞子さんは言及する
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795 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/04/18(土) 19:15:10.61 ID:fYsPicElK: ビブリア古書堂の事件手帖④　第三章：『押絵と旅する男』20/40

明日の午前中まで用があるが、その後は鎌倉に戻ってきて暗唱文字は私が調べる、それで蔵書の買取は半々にしようという智恵子の提案を栞子さんは拒絶する
金庫の中身は『押絵と旅する男』だろうと智恵子は推測を述べ、謎解きのヒントをくれた
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796 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/04/18(土) 23:01:25.35 ID:fYsPicElK: ビブリア古書堂の事件手帖④　第三章：『押絵と旅する男』40/40

此方が見落とした手掛かりを調べるため、母は鹿山家に向かったかもしれないと、慌てた様子で栞子さんは車を出すよう言ってきた
事故による混雑で遅れて着いた屋敷は、すでに智恵子に先を越された後だったが、そこに義彦の息子・鹿山渉が現れた
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797 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/04/19(日) 18:53:55.43 ID:I+6bYcq6e: ビブリア古書堂の事件手帖④　第三章：『押絵と旅する男』20/40

鹿山家から借りてきた二銭銅貨の謎が分からない――と弱弱しい声で電話してきた栞子さんと話しているうち、「解けたと思います、この暗号文」と彼女は嬉しそうに言った
翌日、雪ノ下の宅に向かうと、田辺邦代の息子がスーツケースを引いて出て行くところだった
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798 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/04/20(月) 19:21:38.33 ID:VNF/Whxnd: ビブリア古書堂の事件手帖④　第三章：『押絵と旅する男』20/40

金庫から出てきたものを抱きかかえる来城慶子を、しばらく一人にしてあげてほしいと田辺邦代に言われて、離れの書庫に移動した二人
青ざめた顔で書架を指差す栞子さんは、躊躇なく居間に戻って来城慶子に質問し、宅を出て駅に向かう
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799 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/04/20(月) 23:01:08.05 ID:VNF/Whxnd: ビブリア古書堂の事件手帖④　第三章：『押絵と旅する男』40/40

鶴岡八幡宮の階段の前で呼び止めた相手と、小町通りの端にある古い喫茶店に入った
今回の一件の仕掛け人である、その人は、気づいた理由を栞子さんに訊き、また、一連の経緯について疑問に答える
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800 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/04/22(水) 19:01:17.09 ID:laZ9who1y: ビブリア古書堂の事件手帖④　第三章：『押絵と旅する男』20/40

すべての種明かしを終えて、その人を鎌倉駅の改札口に見送った
あなたには荷が重かったようね――と後から現れた篠川智恵子は言って、栞子さんの推理の穴を指摘し、去った人物の意図と真の事実を明らかにする
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801 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/04/23(木) 23:12:02.87 ID:OTZBTgnHI: ビブリア古書堂の事件手帖④　第三章：『押絵と旅する男』/エピローグ20/40

一緒に来れば、今回の一件についての貴重なものを見ることができ、この十年、私が見聞きしてきた古書の話を教えてあげると智恵子は言う
思わず主人公が名前を呼ぶと、栞子さんは旅の誘いを断り、智恵子は刺すような目つきで此方を見て一人で駅に向かった
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802 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/04/23(木) 23:13:15.10 ID:OTZBTgnHI: ビブリア古書堂の事件手帖④　第三章：『押絵と旅する男』/エピローグ/あとがき/ビブリア古書堂の事件手帖⑤　プロローグ：リチャード・ブローティガン『愛のゆくえ』（新潮文庫）40/40

隠していた事実を主人公に指摘され、出入りのせどり屋の志田は、小山清『落穂拾ひ・聖アンデルセン』に関わる自らの過去を話す（終）
二ヶ月待って五月の終わりになり、好きだと告白した件の返事を主人公は栞子さんに聞く
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803 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/04/24(金) 19:01:13.60 ID:PpEndMiwf: ビブリア古書堂の事件手帖⑤　第一話：『彷書月刊』（弘隆社・彷徨舎）20/40

お前、『ホウショゲッカン』って雑誌、知ってるか？――と滝野蓮杖は言う
告白の返事をする前に済ませることがある、という栞子さんの答えを待っている主人公に、彼女との話題を提供してやろうというのだ
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804 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/04/25(土) 19:05:02.88 ID:oEt51ZSza: ビブリア古書堂の事件手帖⑤　第一話：『彷書月刊』（弘隆社・彷徨舎）20/40

四、五十冊の『彷書月刊』を古書店に持ち込んで、一、二週間後に、やっぱり返してほしいと言いに来て、不可能だと店頭のバックナンバーを買い取って別の店に持ち込む、不思議な客の話を主人公は栞子さんに伝える
実はさっき、『彷書月刊』をまとめて売りたいという客から電話があった――と彼女の話を聞くうちガラス戸が開いた
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805 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/04/25(土) 19:05:28.36 ID:oEt51ZSza: ビブリア古書堂の事件手帖⑤　第一話：『彷書月刊』（弘隆社・彷徨舎）40/40

年配の女性から買い取った『彷書月刊』には、書き込みのあるページに「新田」という文字が、背表紙の角の社名の下には黒い丸が書きこまれていた
せどり屋の志田と一緒に来た老人は、その黒い丸に関心がある様子だった
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806 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/04/26(日) 23:01:14.88 ID:HtgDoKHCD: ビブリア古書堂の事件手帖⑤　第一話：『彷書月刊』（弘隆社・彷徨舎）20/40

最近の栞子さんの様子について、鉢合わせた文香に尋ねると、夕方や夜に電話したり、大庭葉蔵の裁判の傍聴に行っていたと彼女は言う
明くる日の朝、何をしようとしているのか、裁判と関係があるのか、答えない栞子さんと店で言い合いをして、「好きだからです！」と主人公が叫び、照れる彼女に触れようとしたところで志田に声をかけられた
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807 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/04/26(日) 23:01:38.82 ID:HtgDoKHCD: ビブリア古書堂の事件手帖⑤　第一話：『彷書月刊』（弘隆社・彷徨舎）40/40

昨日一緒に来た老人の所有だという、志田が持ち込んだ本には、すべての背表紙やカバーの角に小さな黒い点が打ってあったが、「新田」はなかった
その次の日の夕方、『彷書月刊』を買い戻しに来た宮内多実子を前にして、彼女の行為や「新田」の意味を栞子さんは明らかにする
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808 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/04/27(月) 19:01:28.75 ID:E5UV15Rq1: ビブリア古書堂の事件手帖⑤　第一話：『彷書月刊』（弘隆社・彷徨舎）/断章Ⅰ：小山清『落穂拾ひ・聖アンデルセン』20/40

宮内多実子はこれまでの出来事を語り、志田を通して老人に会いに行った栞子さんは、その後の詳細を伏せた（終）
細かな事象から本当の事情を推理する栞子さんに問われて、志田は経緯を語り、『彷書月刊』の件の真相が明らかにされる
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809 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/04/28(火) 19:01:38.59 ID:oQV+qjrCK: ビブリア古書堂の事件手帖⑤　断章Ⅰ：小山清『落穂拾ひ・聖アンデルセン』/第二話：手塚治虫『ブラック・ジャック』（秋田書店）20/40

志田は、小山清の一節とともに、自らの過去を回想する（終）
告白の返事の期限である五月末まで三週間を残したGWの最終日、店主の指示通り主人公が本を分け終えたところに、蓮杖の妹で栞子さんの友人でもある滝野リュウが現れ、本のことで相談したいことがあると言う
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810 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/04/28(火) 23:01:17.71 ID:oQV+qjrCK: ビブリア古書堂の事件手帖⑤　第二話：手塚治虫『ブラックジャック』（秋田書店）40/40

父が大事にしている『ブラック・ジャック』から同じ巻が何冊かなくなっているのが分かった――と真壁菜名子と名乗ったリュウの後輩は、滝野家所有のマンションで言った
電車内でも饒舌に手塚治虫を語っていた栞子さんは、菜名子の父が所有する手塚コレクションについて質問する
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811 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/04/29(水) 19:03:11.54 ID:PpoTMrscR: ビブリア古書堂の事件手帖⑤　第二話：手塚治虫『ブラック・ジャック』（秋田書店）20/40

持ち出された二冊は、少年チャンピオンコミックスの『ブラック・ジャック』四巻ではないかと栞子さんは言い当て、手塚治虫の出版物は同じタイトルでも単行本によって内容や掲載作品が違うと語った
なくなった本は、高校に通わなくなり、父と折り合いの悪い弟が隠し持っていると思うと真壁菜名子は言う
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812 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/04/30(木) 23:01:13.37 ID:57euUEFBW: ビブリア古書堂の事件手帖⑤　第二話：手塚治虫『ブラック・ジャック』（秋田書店）20/40

なくなったのは二冊ではなく三冊だったような――と真壁菜名子は言って、旧チャンピオンコミックス版の『ブラック・ジャック』四巻をバッグから二冊取り出した
夜、訪れた真壁家で、父の部屋だと案内された一階の和室には、ずらりと本棚が並んでいて、そこで栞子さんは、『ブラック・ジャック』の最後の二十五巻だけ重複していないことに目を止め、菜名子の亡き母について質問する
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813 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/04/30(木) 23:02:09.65 ID:57euUEFBW: ビブリア古書堂の事件手帖⑤　第二話：手塚治虫『ブラック・ジャック』（秋田書店）40/40

『ブラック・ジャック』の二十五巻が最初から一冊しかなかったことの理由と、それに関わる真壁夫妻の馴れ初めを、菜名子の弟・慎也の前で栞子さんは説明した
母が亡くなった日、容態が急変したということで病院に向かう途中、父は通りがかりの古書店に寄り道して『ブラック・ジャック』四巻の初版本を買った――と慎也は顔を歪める
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814 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/02(土) 19:01:21.09 ID:FC9Nm6d4S: ビブリア古書堂の事件手帖⑤　第二話：手塚治虫『ブラック・ジャック』（秋田書店）20/40

『ブラック・ジャック』四巻を二冊回収したが、もう一冊は行方が知れない
五年前に真壁の父が寄り道した磯子の店を、県内の古書店すべてに行ったことがあるという栞子さんも知らないと言い、それが今回の件の鍵になっているようだった
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815 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/03(日) 19:01:20.88 ID:6tEv4b0pV: ビブリア古書堂の事件手帖⑤　第二話：手塚治虫『ブラック・ジャック』（秋田書店）20/40

真壁姉弟の母の実家で、菜々子たちの祖母・波江の話を聞き、五冊目の『ブラック・ジャック』四巻を回収する
波江が持って来た古い葉書には、「『S』が収録された4巻の初版を磯子の店で見つけたので、一緒に行こう」と三十年近く前、真壁の父が交際相手に宛てて書いた言葉が並んでいた
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816 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/03(日) 23:01:13.16 ID:6tEv4b0pV: ビブリア古書堂の事件手帖⑤　第二話：手塚治虫『ブラック・ジャック』（秋田書店）/断章Ⅱ：小沼丹『黒いハンカチ』（創元推理文庫）40/40

五冊目の『ブラック・ジャック』四巻と葉書を真壁姉弟の前に並べて、栞子さんは謎を解きほぐし、彼等の父の行動の意味と、家族にとって特別な本である理由を説明する（終）
横浜駅の西口を出てすぐのカフェで文庫本を読む滝野リュウに、声をかけてきたのは栞子さんだった
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817 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/04(月) 19:04:00.53 ID:suWqY1OWS: ビブリア古書堂の事件手帖⑤　断章Ⅱ：小沼丹『黒いハンカチ』（創元推理文庫）/第三話：寺山修司『われに五月を』（作品社）20/40

もし会いたければ本についての問題を用意するから、それを解いてみなさい――という智恵子の言付けを、滝野リュウは栞子さんに伝える（終）
大庭葉蔵の弁護士が保釈申請を出したということで、被害者の栞子さんに、現在の状況を尋ねる電話が検察からかかってきた
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818 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/04(月) 23:01:26.55 ID:suWqY1OWS: ビブリア古書堂の事件手帖⑤　第三話：寺山修司『われに五月を』（作品社）40/40

三十代後半と見える日焼けした筋肉質の男が、母屋に上がり込んで食事をとっていた
一昨年、店への出入りを禁止したという、その門野澄夫が、先代の篠川夫妻と親しかったという言葉に嘘はないようだったが、栞子さんの態度は冷たく、彼がビブリアに盗品を持ち込んで警察沙汰になった一件を話す
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819 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/05(火) 19:01:28.79 ID:auF3wMGyi: ビブリア古書堂の事件手帖⑤　第三話：寺山修司『われに五月を』（作品社）20/40

モノレールで湘南深沢駅に行き、坂の住宅街を歩く道すがら、寺山修司の経歴を栞子さんは語る
『われに五月を』の初版を、亡くなった上の兄貴から貰うことになっていた――という門野澄夫の信じがたい話について相談することになった、門野澄夫の家族は、弟が迷惑をかけたに違いないと謝罪を繰り返し、澄夫の素行を話す
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820 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/05(火) 22:58:09.90 ID:auF3wMGyi: ビブリア古書堂の事件手帖⑤　第三話：寺山修司『われに五月を』（作品社）40/40

問題の、『われに五月を』の初版本には、一枚の古い紙と、最近プリントした、小さい頃の澄夫の写真が挟まれていた
寺山修司の直筆を台無しにしたときの澄夫の様子と、現物の草稿を見て、その頃から兄は書庫に鍵をかけ、澄夫に厳しく当たるようになったと門野幸作は言う
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821 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/06(水) 19:14:14.21 ID:RxnZcxPh2: ビブリア古書堂の事件手帖⑤　第三話：寺山修司『われに五月を』（作品社）20/40

亡くなる前に兄は『作家の自伝40　寺山修司』を読んでいて、急に『われに五月を』はお前にやると言い出した――とビブリアにやってきた門野澄夫は質問に答えた
深沢を再訪して栞子さんは、写真には真実を示唆する決定的な手掛かりが残っていると言う
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822 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/07(木) 19:01:23.31 ID:e1efSbnpc: ビブリア古書堂の事件手帖⑤　第三話：寺山修司『われに五月を』（作品社）20/40

寺山修司の直筆が汚損されたときの本当の様子が明らかになり、そこで門野澄夫の家族の口から篠川智恵子の名前が出た
すべてを知っていて、智恵子は何十年も放っておいたのではないか――と「問題」への解答の後、主人公は考えを巡らせて、栞子さんと二人で帰途に就く中、駅のホームへ上がる階段に彼女がいた
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823 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/07(木) 23:01:12.84 ID:e1efSbnpc: ビブリア古書堂の事件手帖⑤　第三話：寺山修司『われに五月を』（作品社）/断章Ⅲ：木津豊太郎『詩集　普通の鶏』（書肆季節社）40/40

栞子さんは智恵子と話すためその場に残り、門野澄夫は『われに五月を』を早々に知人に譲って沖縄に去った（終）
私は大輔さんが好きなので付き合おうと思っている、ついては亡き父とあなたの本当の関係を知りたい――とモノレールで向かい合わせに座る母に、栞子さんは問う
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824 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/08(金) 15:14:26.31 ID:BLuDGRU2D: ビブリア古書堂の事件手帖⑤　断章Ⅲ：木津豊太郎『詩集　普通の鶏』（書肆季節社）/エピローグ：リチャード・ブローティガン『愛のゆくえ』（新潮文庫）/あとがき20/40

あなたの前から突然いなくなるかもしれないが、それでもよければしばらく一緒に居ましょう――と智恵子は結婚したときに出した条件について話し、ここに残るなら気を付けなさいと忠告する（終）
あなたが旅に出るなら自分も付いていく、と栞子さんに主人公が答えたとき、ガラス戸が音を立ててひび割れ、大庭葉蔵名義の脅迫めいた手紙が均一台に残っていた（終）
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825 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/09(土) 19:16:27.28 ID:Xml9fHbxV: ビブリア古書堂の事件手帖⑥　プロローグ/第一章：『走れメロス』20/40

鎖骨と肋骨が折れている主人公が病室のベッドで目を覚ますと、篠川智恵子がいて、「何があったか教えてくれたら、深沢で何をしていたか教えてあげる」と言う（終）
五月二十六日にビブリアの近くに来たか――寺の前にやってきた大庭葉蔵に探りを入れる主人公に対し、まだ保釈の手続きが終わっていない日だと否定の答えが返ってきた
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826 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/09(土) 23:01:24.90 ID:Xml9fHbxV: ビブリア古書堂の事件手帖⑥　第一章：『走れメロス』40/40

栞子さんが持っていたアンカットよりも貴重な『晩年』を亡くなった祖父は以前所有していて、その行方を調べてほしい――と大庭葉蔵は墓地で主人公に依頼して、SNSで得た情報を話す
智恵子の警告について考えながら江ノ電を鎌倉駅で降り、横須賀線のホームに上ったところで、出て行く電車に坂口しのぶの姿が見えた
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827 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/10(日) 19:01:58.77 ID:51PB8KlSP: ビブリア古書堂の事件手帖⑥　第一章：『走れメロス』20/40

坂口しのぶの次は滝野蓮杖からの電話で、主人公と栞子さんが付き合い始めたことに言及され、情報の出元である文香が、同じ高校だという玉岡昴と店の前で話し込んでいた
大庭葉蔵が勝手に『晩年』の所在を突き止めてしまう恐れがあり、その前に持ち主に知らせる必要がある――と栞子さんは依頼を受けることに決めた
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828 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/10(日) 23:01:20.19 ID:51PB8KlSP: ビブリア古書堂の事件手帖⑥　第一章：『走れメロス』40/40

蔵書を持たない主義だった太宰治の、署名入りでない、著者による書き込み本というのは想像がつかない――と栞子さんは太宰の経歴を語り、興味をそそられた様子だった
大庭葉蔵の亡き祖父を知っているという、古書組合理事の虚貝堂店主に話を聞くため、ビブリアの二人は戸塚に向かった
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829 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/12(火) 19:01:11.55 ID:LmcKh/csD: ビブリア古書堂の事件手帖⑥　第一章：『走れメロス』20/40

栞子さんはビブリアを作った祖父に珍しく言及して、先々代も愛読していたという、太宰治の心中事件の経緯や、走れメロスは実体験に基づいているという説を話す
いつの間にか隣のテーブルで虚貝堂店主・杉尾が栞子さんの話を聞いていて、虚貝堂の先代と大庭葉蔵の祖父が一緒に写っている、昭和三十九年九月と記録された写真を二人に見せた
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830 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/13(水) 19:01:35.52 ID:COuw6jlZ5: ビブリア古書堂の事件手帖⑥　第一章：『走れメロス』20/40

写真の白いシャツの男は「小谷」という昔の客で、残りの和服とセーラー服の人はわからないと杉尾は言い、黒っぽい服の背中らしきものが、半開きになった窓の奥に写っているのを栞子さんは指摘した
先代と一緒に太宰の研究サークル「ロマネスクの会」を作っていたという、大庭葉蔵の祖父はある時から店に来なくなったとのことで、栞子さんの祖父もこうやって依頼を受けて調べごとをしていたと杉尾は言う
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831 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/13(水) 23:17:24.04 ID:COuw6jlZ5: ビブリア古書堂の事件手帖⑥　第一章：『走れメロス』40/40

祖父の友人から連絡があったと大庭葉蔵のメールが来て、ビブリアを訪れた、その年配の男・小谷次郎は、主人公の祖母の「ごうら食堂」で知り合ったということだった
写真の和服の人は富沢博という大学教授で、隣にいるのはその娘・紀子、場所は腰越の富沢家の庭だと言い、「小谷の名前を出さんでくれ」と連絡先を教えてくれた
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832 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/15(金) 19:12:40.84 ID:bVtsw474U: ビブリア古書堂の事件手帖⑥　第一章：『走れメロス』20/40

嫌悪感を露わに太宰に言及する小谷に対し、栞子さんは『走れメロス』の原典に触れ、あなたは以前は愛読者だったのだろうと指摘する
写真の何か月か後の秋の中頃、ロマネスクの会の誰かが富沢先生の書庫から稀覯本を盗んだということで、出入り禁止となって会は解散、大庭葉蔵の祖父と連絡が取れなくなり、杉尾の知人が本を取り返したらしい――と小谷は過去を回想する
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833 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/15(金) 23:01:23.44 ID:bVtsw474U: ビブリア古書堂の事件手帖⑥　第二章：『駆け込み訴へ』40/40

大庭に一度返信させること自体が目的にしても、その後に退会した理由がわからない――と大庭葉蔵が受け取った、古書マニア「春灯」のメッセージを店で確認して、栞子さんは言った
二人で訪問した、腰越の海を一望できる富沢家で、応対した初老の娘・紀子は、父は会わないと言っているとして、「四十七年前のことを、あなたの祖父・篠川聖司から何か聞いていないか、知りたくて私が呼んだ」と続けた
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834 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/16(土) 19:01:20.00 ID:JcOVjXN+1: ビブリア古書堂の事件手帖⑥　第二章：『駆け込み訴へ』20/40

盗まれた本である、月曜荘版『駆込み訴へ』には、古書市場に出たことのない黄色表紙の本があると栞子さんは言う
事件以前にも家に上げた学生による窃盗があって、盗難の心配があるからと母は書庫に鍵をかけるようになり、ロマネスクの会のメンバーが一人で書庫にいると完全に扉を閉じることに決めた――と紀子は言った
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835 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/16(土) 23:20:04.32 ID:JcOVjXN+1: ビブリア古書堂の事件手帖⑥　第二章：『駆け込み訴へ』40/40

会のメンバーが密室の書庫を出る際には、何も持ち出していないことを母が確認し、二本ある鍵を、当時は父と母が一本ずつ持っていて、事件の後に父が両方とも管理するようになった――と紀子は続ける「一体誰がどうやって盗んだのかしら？」
盗まれて一ヶ月後に戻ってきた本は以前よりきれいな気がしたというが、逆に紀子の父・富沢博は、本が駄目になっていると嘆いたとのことだった
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836 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/18(月) 19:01:17.68 ID:jSy9aHwe4: ビブリア古書堂の事件手帖⑥　第二章：『駆け込み訴へ』20/40

ビブリアを開く前に篠川聖司が働いていたという久我山書房の、娘・鶴代が写っている、同じ日に撮ったもう一枚の写真を持ち出してきて、友人だが年賀状のやりとりだけになってしまったと去り際に紀子は言う
亡き久我山尚大の履歴を栞子さんから聞きながら坂を歩き、大庭葉蔵に突き落とされた場所だという石段を登り、二人は久我山家で大学生の娘・寛子に迎えられた
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837 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/19(火) 19:01:19.99 ID:byZ6fHokG: ビブリア古書堂の事件手帖⑥　第二章：『駆け込み訴へ』20/40

当時、大庭葉蔵の祖父が富沢博の書庫で記したメモを用箋挟みごと、ビブリアの先代と仲が良かったという鶴代は持ち出してきた
大学生の頃に父・尚大が亡くなり、久我山書房の在庫は杉尾が処理して、それで、二十年以上前に大庭葉蔵の祖父にばったり会った――と彼女は言う
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838 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/19(火) 23:01:14.87 ID:byZ6fHokG: ビブリア古書堂の事件手帖⑥　第二章：『駆け込み訴へ』40/40

小谷次郎も呼ばれた富沢家の客間で、栞子さんは可能性の高い仮説として、犯人が書庫から本を持ち出した方法を元気のない様子で話す
事態の筋書きを語りながら語尾が小さくなっていく彼女に、犯行の動機について小谷は疑問を呈し、何かを隠して話していると主人公は確信する
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839 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/20(水) 19:01:13.28 ID:eY6nStkld: ビブリア古書堂の事件手帖⑥　第二章：『駆け込み訴へ』/第三章：『晩年』20/40

主人公の語る真実を聞き、富沢博は当時を振り返って大庭葉蔵の祖父が所有していた『晩年』に触れ、太宰が昭和十一年の夏、水上温泉に持参したものだろうと言う
書庫に移動して、太宰と親交のあった人物が著した、「太宰治君の自家用本『晩年』のこと」と題された評論を富沢博は開く
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840 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/21(木) 00:53:03.07 ID:mZU1c+P+D: ビブリア古書堂の事件手帖⑥　第三章：『晩年』40/40

問題の『晩年』の行方について富沢博は話し、大庭葉蔵の祖父の行動の、本当の意味と背景を栞子さんは解き明かす
大庭葉蔵が狙ったビブリアの『晩年』は彼の祖父の持ち物ではなかったが、関係がないわけでもないと判明し、自信モテ生キヨ……とフレーズを繰り返す栞子さんに、富沢博は感嘆の声を上げる
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841 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/21(木) 19:01:21.87 ID:mZU1c+P+D: ビブリア古書堂の事件手帖⑥　第三章：『晩年』20/40

太宰文学を、本当によく知っている人間なればこそだ――とメモを見て富沢博が言っていた意味を、栞子さんはライトバンの中で解説し、大庭葉蔵の祖父の発見について説明する
戻ったビブリア古書堂で、文香と話し込んでいた久我山鶴代は、分かったことを知りたいと言い、栞子さんはこれまでの経緯と得た情報を包み隠さず話す
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842 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/22(金) 23:21:39.74 ID:I1JP7f687: ビブリア古書堂の事件手帖⑥　第三章：『晩年』20/40

久我山家の女たちには商才がなく、誰も家業を把握していなかったが、父が亡くなったときに在庫処理を頼んだ虚貝堂の杉尾なら何か知っているのではないか――と『晩年』の行方を問われて鶴代は答えた
店を出て、帰りに寄ったファミレスで大庭葉蔵から電話がかかってきて、帰宅後、祖母が亡くなってからは物置部屋になっている、食堂のカウンターの前に腰を下ろしたところで栞子さんから電話がかかってきた
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843 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/22(金) 23:22:40.67 ID:I1JP7f687: ビブリア古書堂の事件手帖⑥　第三章：『晩年』40/40

太宰治の自家用『晩年』について、久我山尚大が話したという内容は不自然だと栞子さんは電話で指摘し、久我山家の誰かが隠している可能性があることを示唆した
他に誰もいない建物内から水音が聞こえてきて、五分後にかけ直すと言って主人公は通話を切り、奥に進み、流しに滴り落ちる水を、蛇口のハンドルを回して止めたところで違和感を覚えた
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844 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/23(土) 16:11:49.15 ID:xvUSrSVcq: ビブリア古書堂の事件手帖⑥　第三章：『晩年』20/40

栞子さんを一昨年に突き落とした場所で、『晩年』を手に人を待っている大庭葉蔵のもとに、今回の一件を画策して、彼に情報を与えた人物が現れた
一方、主人公は、食堂での出来事を回想する
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845 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/23(土) 18:43:57.37 ID:xvUSrSVcq: ビブリア古書堂の事件手帖⑥　第三章：『晩年』40/40

主人公が疑問に思っていて、電話で尋ねかけた鶴代の発言について、栞子さんは三人の前で意味を説明し、これまでの真の経緯を語る
どうしてこんなことをしたのかと問われて、今回の一件の仕掛け人は、栞子さんが突き落とされたときも、その場でただ見ていたと言う
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846 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/26(火) 02:36:04.27 ID:ozjtcUOsX: ビブリア古書堂の事件手帖⑥　第三章：『晩年』20/40

いつか古書に復讐される日が来る、と言う栞子さんに、お前も同じだろうと反駁し、その人物は予期せぬ行動に出て、石段でもみ合ううちに主人公の体が宙に浮いた
今夜中に探したいという栞子さんの意向で、久我山家の書斎に向かい、重傷の主人公も無理を押して付いて行き、鍵のかかった戸棚を開けた
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847 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/26(火) 02:37:12.88 ID:ozjtcUOsX: ビブリア古書堂の事件手帖⑥　第三章：『晩年』/エピローグ/あとがき40/40

一冊の古書についての、往時の様子が語られ、真実を指摘して珍しく感情をあらわにした栞子さんは、すべてを明らかにして「駄目です」とかぶりを振った（終）
これまでの経緯を聞いて、篠川智恵子は深沢に行った目的を話し、その背景に気づいた主人公は、自らだけの秘密にすることを心に誓った（終）
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848 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/27(水) 16:31:53.73 ID:1GcAyA/3e: フランバーズ屋敷の人びと①　1：落馬20/60

クリスチナは、亡き両親の財産を引き継ぐ二十一歳になるのを待ちながら、ロンドン郊外に住む親戚の間をたらい回しされるのに十二歳にして慣れていたが、今度は政略結婚含みで、離れた田舎にある、お金持ち「だった」ラッセルおじのフランバーズ屋敷に向かう
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849 ：カワイイ名無しさん：2020/05/28(木) 14:18:29.13 ID:cGGIOp622: https://imgur.com/a/Jd8akzy
850 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/28(木) 15:49:57.35 ID:KUbbcuMOy: フランバーズ屋敷の人びと①　1：落馬/2：ウィリアムへのおくりもの20/60

ウィリアムが落馬して骨折した騒ぎの中で屋敷に着いたクリスチナは、ここに来る前に盗み見た手紙で結婚相手だというマークと台所に向かい、食料部屋から持ってきた食べ物を食卓に並べた
女中頭のメアリーに頼まれて、向かったウィリアムの部屋では、飛行機の模型が上から吊り下げられていて、「狩猟せず、父と顔を合わせずに済む」と彼はベッドで言い、生命力あふれるマークとまったく印象が違った
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851 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/28(木) 23:49:34.63 ID:KUbbcuMOy: フランバーズ屋敷の人びと①　2：ウィリアムへのおくりもの40/60

ラッセルの命で、亡きイザベルおばの乗馬服を身につけたクリスチナは、スイートブライアーの婦人鞍にまたがり、別の馬に乗った使用人のディックと共にパドックに出た
大酒を飲んで、松葉杖を手にいらいらとメアリーに命令し、学問好きのウィリアムを苦しめるラッセルについて聞くと、三年前に馬の下敷きになったのだとディックは答え、荒れてしまっている農場だけでなく、馬も牛も猟犬も以前はたくさんいたと言う
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852 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/28(木) 23:50:04.56 ID:KUbbcuMOy: フランバーズ屋敷の人びと①　2：ウィリアムへのおくりもの/3：危機一髪60/60

父親そっくりのマークは優しいディックをいびり、クリスチナが受け取った、ダーモット氏からウィリアムに届いた飛行機の本をラッセルは暖炉の火にくべ、「ここでは、みんな狂っているわ」と思う彼女は、気が進まないながらマークと馬で出かける
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853 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/29(金) 15:28:18.13 ID:/6CcY6ZIO: フランバーズ屋敷の人びと①　3：危機一髪/4：ウィリアムの決心20/60

マークに促されて、しぶしぶトレジャーに乗ったクリスチナは暴走する馬を抑えることができず、生垣に突っ込みかけたところで、ウッドピジョンでやってきたディックに助けられた
口止めしてマークは、言えばクビにするとディックを脅し、ラッセルは、飛行機の本の代わりに渡した狩猟書を暗記していなければムチ打ちすると、ウィリアムにメモを渡していた
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854 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/30(土) 00:56:02.13 ID:QrCaBJwKf: フランバーズ屋敷の人びと①　4：ウィリアムの決心/5：ウィリアムの奇妙な考え40/60

夜、物音で目を覚ましたクリスチナは、ウィリアムの部屋のドアを開けて思わず叫び声を上げ、下の食堂に行ってブランデーを掴んできて、それを飲ませて落ち着かせたが、「このことを言えば、ディックをクビにさせる」と彼は言う
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855 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/30(土) 00:56:49.85 ID:QrCaBJwKf: フランバーズ屋敷の人びと①　5：ウィリアムの奇妙な考え/6：スイートブライアーの災難60/60

クリスチナは狩猟が好きになり、治ったウィリアムは、膝が曲がらなくなっていたが、ラッセルによる、本の内容についての質問にことごとく回答した
家庭教師の手に余る数学の知識を持ち、雇い主と使用人の身分について政治的な発言をするウィリアムは、何か目的があって出かけているようで、秘密があるに違いないとクリスチナは思う
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856 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/30(土) 16:38:16.46 ID:QrCaBJwKf: フランバーズ屋敷の人びと①　6：スイートブライアーの災難20/60

絶交の狩猟日和、ディックと言い争い、スイートブライアーに飛び乗ったマークは、「わたしの馬よ！」とクリスチナが止めるのも聞かず叫び返して駆けて行き、もんどりうって茂みに突っ込んだ
マークに好意を寄せている、通いの女中のバイオレットがディックの妹だと、その場で知ったクリスチナはびっくりして、意味の分からない嫉妬を感じた
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857 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/30(土) 20:13:12.21 ID:QrCaBJwKf: 訂正しなくても認識されそうだけど一応
読書コマンド開始当初の頃に比べてミスらなくなってると思うが、たまに誤字ったりするのは大目に見てね

×絶交の
〇絶好の
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858 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/31(日) 03:06:05.59 ID:T39BkpUkG: フランバーズ屋敷の人びと①　7：ダーモットさん40/60

年取って怪我したスイートブライアーは使い物にならないので、犬舎送りにして猟犬に食わせる――とラッセルとマークは言い、クリスチナはうまやに行って、ディックの胸に顔をうずめて泣いた
クリスチナに頼まれたウィリアムは一計を案じ、彼女の愛馬をダーモットさんのもとに連れて行くと言い、協力することにディックも同意してくれた
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859 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/05/31(日) 03:06:41.37 ID:T39BkpUkG: フランバーズ屋敷の人びと①　7：ダーモットさん60/60

ダーモットさんにスイートブライアーを引き渡して、昼食の席で彼と語り合うウィリアムの話を聞き、向かった納屋にはエマ号という飛行機があり、彼等こそ次の世代を担う人たちではないかという予感とともに、クリスチナはウィリアムの運転する自動車に乗り込んだ
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860 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/06/01(月) 15:18:19.83 ID:ShbUofZ5Q: フランバーズ屋敷の人びと①　8：昔そっくりだ20/60

家の者がスイートブライアーを勝手に逃がしたことに気づいて、ラッセルは怒り狂い、松葉杖でクリスチナを殴打し、ウィリアムをムチ打ちにし、ディックをクビにした
紹介状どころか、5ポンド相当の上等な馬肉を犬舎の主からだまし取ったという風評付きで追い出され、ディックは優秀でいい子でしたが、ここのような上等な馬を扱う仕事にありつける可能性は千に一つでしょう――とクリスチナは使用人に言われる
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861 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/06/02(火) 15:13:25.85 ID:aFGl+Gv2d: フランバーズ屋敷の人びと①　9：無口な子20/60

ディックの父は何年か前に死んでいて、母親は馬車との接触事故で足が麻痺しており、気まぐれなバイオレットの稼ぎを合わせても、ディックがかつかつの家計を支えていたと女中頭のメアリーは言う
みすぼらしい小屋をクリスチナは訪れ、そこで会ったディックの母は、「バイオレットにあてこすられてディックは鬱憤を溜めていて、生活のための彼の密猟が見つかれば刑務所行きです」と言う
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862 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/06/02(火) 19:59:34.16 ID:aFGl+Gv2d: フランバーズ屋敷の人びと①　10：帰ってきたディック40/60

クリスチナも気を紛らわすためダーモットさんのところに通い、どんどん改良されて行くエマ号に乗り込んでウィリアムは空を飛んだ
台所ではげしく泣いていたバイオレットは「みだらで、性悪だから」退職させた――とメアリーに聞いたクリスチナは、ウィリアムに詳細を尋ねて「妊娠した」とだけ知らされる中、狩猟帰りに軍服を着たディックが現れ、マークを殴り倒した
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863 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/06/03(水) 00:02:02.39 ID:SK0dRdgOP: フランバーズ屋敷の人びと①　11：クロスカントリーレース60/60

ラッセル家が大金を賭けたクロスカントリーレースに、マークはトレジャーに騎乗して出場し、ファイアーダンスとの激しい先頭争いを群衆が見守る中、ウィリアム操縦のエマ四世号がエンジンの金切り声をあげながら不時着してきて、観客や馬どもはパニックに陥った
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864 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/06/03(水) 15:51:35.83 ID:SK0dRdgOP: フランバーズ屋敷の人びと①　9：ウィリアムの約束20/60

弟のいるブリティッシュ・コロンビアに行って森林学を勉強するよう、家からの退去をラッセルに命じられたウィリアムは、ダーモットさんに金を借りて他の仕事を探しに行くと、クリスチナにさよならを言いに来た
狩猟舞踏会に連れて行くため一週間後に迎えに来るというウィリアムの走り書きを見て、彼への恋心に気づいたクリスチナはマークの誘いを断り、当日、華やかにドレスを着付けして不安な気持ちで待つうち、ダーモットさんのロールスロイスが到着した
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865 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/06/03(水) 23:49:46.54 ID:SK0dRdgOP: フランバーズ屋敷の人びと①　13：旅立ち40/60

バドストック邸での舞踏会で、クリスチナはウィリアムと踊り、廊下に出た温室のところにマークがいて、「じきに戦争が起こる。科学者どもは、昔ながらの生き方が最上であることに気づかない。君は僕と結婚するのが当然だ」と言うのを口論して振り払い、広間に戻る
今すぐクリスチナを、フランバーズの前に居たグレイスおばさんのところに車で送り、準備ができたら結婚の申し込みに行く――と再合流したウィリアムは話を聞いてそう言い、ロールスは、怒鳴り立てるマークが騎乗したウッドピジョンを振り切った（終）
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866 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/06/03(水) 23:51:23.19 ID:SK0dRdgOP: フランバーズ屋敷の人びと①　訳者あとがき/改版のことば60/60

第一次世界大戦を挟む時代の英国で、第一部では進歩と古い時代が対比され、第二部では飛行機に魅せられたウィリアムへのクリスチナの愛と苦悩が、第三部では再びフランバーズ屋敷に戻り、そこに上下巻の話が付け加えられて四部作になった
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867 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/06/04(木) 15:21:19.42 ID:On8z0Dj4a: フランバーズ屋敷の人びと②　1：バタシーの家20/60

五年ぶりに会った、思慮深いグレイスおばは、明け方に駆け落ちしてきた姉の娘と兄の息子を家に入れて朝食を出し、実際的な忠告をして、眠り込んだクリスチナが目を覚ますと、ウィリアムは就職の面接を受けるためファーンボローに向かった後だった
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868 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/06/05(金) 01:35:15.88 ID:xHvo5fym9: フランバーズ屋敷の人びと②　2：銀雲飛行学校40/60

ファーンボローでウィリアムは、三年前の英仏海峡飛行成功からのブームの中、急設の飛行学校の大概の教師と同等以上に飛べ、飛行機の持主より知識があることを理解するが、設計図通り作って競技会で飛んで見せなければ雇わないと言われ、その金はなかった
美少女のドロシーに教えていた、指導員のサンディの代わりに飛ぶ機会を得たウィリアムは、調子の悪いファルマン機をなんとか無事に着地させ、エンジンの汚れを指摘して整備士の職を得る
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869 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/06/05(金) 01:36:13.39 ID:xHvo5fym9: フランバーズ屋敷の人びと②　3：ブドウの房亭60/60

ハーレー街で医者をしているドロシーのおじさんによると、飛ぶ仕事を探す障害になる足を治せる可能性があるのは、スイスの外科医の一人で大金が要り、ウィリアムは、「自分に合った操縦装置を作るには、設計した飛行機を飛ばして見せねばならない」と言う
ドロシーの父がいくつかホテルをもっていて、キングストンでクリスチナの仕事が見つかるということだたったが、猛反対のグレイスおばも面接に付いて行くと言い、ブドウの房亭でソーンダーズ氏とドロシーに二人で会い、受付係としての就職が決まった
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870 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/06/05(金) 15:42:33.92 ID:xHvo5fym9: フランバーズ屋敷の人びと②　4：クリスチナの初飛行20/60

サンディが後部座席からサポートする、ドロシー操縦のファルマン機が着地した後、クリスチナも促されて操縦席に乗り込み、恐怖に襲われながら少し飛んだ後、喫茶店で届いた手紙は、エマ号に乗って死んだダーモットさんの訃報だった
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871 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/06/06(土) 15:44:19.55 ID:I/zVfVGSJ: フランバーズ屋敷の人びと②　5：徹夜20/60

サンディと話していると、エマ号がすごいスピードで飛んできて、機体をひしゃげながら着地し、中からウィリアムが這い出してきて、「これはぼくのものになった」と言い、その晩、徹夜でブレリオ機の張線をなおす彼が眠り込まないようクリスチナは付き合う
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872 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/06/07(日) 00:54:43.93 ID:0R+M6eq+T: フランバーズ屋敷の人びと②　6：スイスへ40/60

一夜くらい部屋をあけても大丈夫と思っていたクリスチナは、午前九時にソーンダーズ氏の部屋に呼び出され、女中頭のカーター夫人に怒りをぶつけられ、すすり泣いているところにドロシーがやってきて、昨晩のことを話して助け舟を出してくれた
エマ号は着陸に問題を抱えながらも飛行に成功したが、ウィリアムは競技会で賞金を稼ぐ構想の話をしなくなり、足が操縦の障害になっているとのことで、九月の休みにクリスチナが飛行場に行くと、彼はエマ号でスイスに向かったとサンディは言う
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873 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/06/07(日) 00:55:19.09 ID:0R+M6eq+T: フランバーズ屋敷の人びと②　7：ウィリアムの新しい試み60/60

ドクトールにみてもらえるという手紙が届いた後、音信不通になったウィリアムを、飛行機事故の新聞記事を読みながらクリスチナは何週間も待って、職場の受付に現れた男は、「足のまがるウィリアム・ラッセル」だと名乗り、晩餐の席を二人分求めた
競技飛行で手術代を払うという彼は、飛行学校の指導員に格上げされ、さらに、五十ポンドの運搬の仕事の依頼も受け、その際には二人乗りのブレリオ機に一緒に乗ろうと上機嫌でクリスチナを誘い、彼女は恐怖とともに「英仏海峡を渡るということね」と指摘した
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874 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/06/07(日) 15:39:20.57 ID:0R+M6eq+T: フランバーズ屋敷の人びと②　8：英仏海峡横断飛行20/60

英仏海峡を飛行するブレリオ機はイーストチャーチで給油し、調子がいいのでドーバーで降りるのをやめるとウィリアムは言ったが、海上でバルブに異常が発生し、高度を下げて飛んで、着陸した砂浜でフランス人たちに助けられ、アルデロに着いた
午後四時に準備ができた、新しい飛行機で飛んだ頃には雲が出てきていて、海峡横断後のイギリスの海岸で天候が悪化し、スコールに降られて着地した牧場の納屋で一夜を明かしたものの、牛の群れの中で目を覚まして壊されないようエンジンを動かした
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875 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/06/08(月) 00:34:59.00 ID:fCdhDUvAX: フランバーズ屋敷の人びと②　9：魚のように飛べたら……40/60

プレイガールのドロシーがフレディと出かける計画を立てていたので、彼女を除く三人は飛行機でピクニックに行き、そこで、空中でとんぼ返りをうったフランス人が話題になり、「エマ号ならできる、金を稼げる」と、自らの飛行機・ダーモット号を製作中のウィリアムは言う
クリスチナが心をかき乱されているのには、例のごとく気づかない様子で、ウィリアムはその場でエマ号に乗り込み、サンディにロープで固定してもらい、飛び上がって、上空でアクロバットな動きを繰り返し、着地して真っ白な顔で飛行機の話を続けた
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876 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/06/08(月) 00:35:28.66 ID:fCdhDUvAX: フランバーズ屋敷の人びと②　10：祝いの宙がえり60/60

飛行学校の経営者・アダムズ氏をエージェントに、曲技飛行をヘンドンで興行して成功したが、その後に宙返りするエマ号の後部座席に乗せられ、クリスチナは怒りから安全紐を空中ではずし、無理に着地して腹を立てるウィルに、彼と「同等」な扱いについていけず泣いた
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877 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/06/08(月) 15:31:44.27 ID:fCdhDUvAX: フランバーズ屋敷の人びと②　11：最愛の雲20/60

翌日、朝一番で、タオル一枚でひげを剃っているウィリアムのところに行き、クリスチナは謝って、二人でエマ号に乗って飛ぶが、雲が低く宙返りできないとのことで、喜びをあらわに「残念だわ！」と叫ぶ彼女に、ウィルは笑って「うそつき！」とどなりかえした
飛行で稼いだお金で、水曜午後の休暇に馬で外出する約束を取り付けたとドロシーは言って、当日、力の強いサルタンという馬でクリスチナは駆け、跳躍し、楽しんだが、再びウィルと馬に乗ることがないのも感じた
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878 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/06/10(水) 19:02:36.42 ID:fLXZRKNEH: フランバーズ屋敷の人びと②　12：結婚できる！20/40

同じ日の夕方の日没前、ブレリオ機のエンジントラブルでウィリアムは肋骨を三本折ったが仕事を止めず、三日後には飛べるように修理し、二週間後の公開飛行も取りやめる気がなく、稼いだ金で格納庫から引っ越して、サンディと一緒に下宿生活を始めた
週に一度、クリスチナとドロシーが食事に呼ばれるようになった折、下宿に軍服を着たマークがやってきて、トレジャーと共に騎兵隊に入ったということで、曲技飛行を見て、ウィルに貰った指輪を嵌めたクリスチナに皮肉を言うが、後にエマ号は壊れ、ウィルは入院した
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879 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/06/11(木) 01:26:51.23 ID:VEFP1SRCb: フランバーズ屋敷の人びと②　13：墜落40/40

六月末、新しいノーム式エンジンがダーモット号に届けられた日、ラッセルの訃報が届くが、ウィリアムは葬儀への参列を拒否し、障害となっていた父が死んだから八月には結婚できるという彼に、それまでの危険な日々を思ってクリスチナは泣いた
迎えたダーモット号の試験飛行は成功したが、ウィリアムが空軍に入る話をしていたことをドロシーから聞いてクリスチナは心中穏やかでない矢先、ウィルとサンディが乗った二機のブレリオ機が曲技飛行をしている最中に、一機が墜落してばらばらになった
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880 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/06/12(金) 03:45:21.22 ID:lPmYu+neF: フランバーズ屋敷の人びと②　13：墜落/14：戦争と結婚と20/40

クリスチナは人混みを駆け抜けて、着陸したもう一機の飛行機のもとに向かい、群衆を押しのけてウィリアムの胸に身を投げ出し、戻って格納庫で一夜を過ごして、早朝にはウィルはダーモット号の調子を見てファーンボローにテストを受けに向かった
ほかにも言うことがある――と、国立航空機製作所の設計職にパスしたウィリアムは続けて、サンディの葬式の後、大英帝国がドイツ宣戦を布告し、ハネムーンの三日後にウィルの徴兵検査が控える中、クリスチナはドレスを身に着けロールスで結婚式に向かった（終）
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881 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/06/12(金) 03:45:55.99 ID:lPmYu+neF: フランバーズ屋敷の人びと③　1：帰郷40/40

ウィリアムはフランスで墜落して、二十一歳にして喪服を着たクリスチナは、一九一六年、マークもパレスチナで行方不明の、狩猟馬もいなくなってしまったフランバーズ屋敷に戻り、目に涙をいっぱいに湛えた使用人の老ファウラーに迎えられた
夫の死後、二週間経ってようやく亡父の財産を手に入れたクリスチナは、荒廃した屋敷の様子を、ウィルやマークとの思い出とともに、老いぼれ馬のペパーに乗ってファウラーと見て回り、「馬は買える。でも、人間を買うことはできないのね」と言った
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882 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/06/13(土) 05:03:48.68 ID:hfygFqQuy: フランバーズ屋敷の人びと②　2：新しい命/3：フェザント20/40

二人で家を借りて過ごした、ウィリアムの傷病休暇明けのことを思い出すクリスチナは、眠れぬ夜を過ごした朝、気分が悪く、ポーター医師の診察を受けて、予想外の懐妊を告げられ、後始末をして二度と戻らないと思っていた屋敷に留まることを決める
農場経営で採算をとり、荒れ放題の建物を修繕すると言うクリスチナに、ファウラーは抵抗を示しながらも、村の少年が会いに来ていると言い、監視が要るという抜け目なさそうなミントンと、体格がよく頭の弱いハリーを、クリスチナは悪印象ながら一週間試用することにした
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883 ：i180-63-216-16.s42.a027.ap.plala.or.jp：2020/06/13(土) 05:04:21.64 ID:hfygFqQuy: フランバーズ屋敷の人びと②　3：フェザント40/40

荒れるにまかされた農場をペパーに乗って見に行ったクリスチナは、彼女の知らない消耗した猟犬と出会い、屋敷に帰って肉と水を与え、元々はここで生まれた犬だとファウラーが言うのを聞いて、喜んで飼うことにして、バイオレットのことを思い出す
彼女の居所はマスターズ夫人が知っているかもしれないとファウラーは言い、農場での競売で、トレジャーを小型にしたような馬・フェザントを気に入ったクリスチナは、売値が妙に安く、見物人は静まり返るのを無理に買い、頭のおかしい馬だと馬丁に言われる
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